キクヤレストランは創業70年の洋食レストラン
キクヤレストランは田町~浜松町にある、芝浦エリアの知る人ぞ知る名店です。
創業は終戦まもない昭和21年。東京はGHQによる民主化、闇市の勃興など、激動の最中です。芝浦エリアでは、東芝(旧東京芝浦電気)が日本初の蛍光ランプを世に広めていました。
ちょっと想像ができませんね。でもきっと、東芝の社員や、漁業など港湾で働く方に、時代を超えて愛されてきたお店なのでしょう。
そんな歴史あるお店ですが、佇まいはとても控え目です。
店内の様子がわかりにくくて、ちょっと敷居が高く感じますね。近くに住む私もお店の評判は耳にしていましたが、なんとなく足が遠のいていました。
でも先日、お店からごく近い場所にある創業150年(!)の名店「おかめ鮨」の大将が、キクヤレストランのオムライスを絶賛していたのです。
一流の江戸前寿司職人が客に勧める洋食店の味って、一体どんな味なのでしょうか!?
テイクアウトのメニューは店内と同じで同価格!ライス無しで100円引きも
キクヤレストランはテイクアウトに対応しています。近隣に住む人や働く人にとって非常にありがたいですね。
店頭または電話で注文して、店頭に受け取るスタイルです。
テイクアウトのメニューと料金は、お店で食べる場合と同じです。同じ料理を、同じ値段で食べられます。
今回は自宅で食べるので、ライスは自宅で用意するので不要です。その旨伝えたところ、ライスを付けない場合は100円引きになるとのこと!!これもありがたいですね。
また、テイクアウト限定メニューもあるようです。店頭の看板に出ていました。
キクヤレストランのテイクアウトを食べてみた
今般のウイルス騒動の影響で、外出するのも憚られる時勢なので、せめてたまのランチぐらいは良いものを食べようという活動の一環で、キクヤレストランのテイクアウトを利用することにしました。
ホットペッパーのお店ページの「料理」タブでメニューを選びます(「ランチ」タブではありません)。
電話注文して受取り
電話してみると慣れた様子で、メニューと、受け取り希望時間を確認されました。
11時半頃に電話して、12:30に受取り希望をしました。ちょっとタイトだったかなと思いましたが、まったく問題ない様子でした。
この日は私の都合で12時過ぎに電話しましたが、開店前の11時頃でも電話連絡できるので、早めに連絡しておくとスムーズだと思います。
予定通り12:30頃に、料理を受け取りに行きました。店内は小綺麗で落ち着いた空間です。
「電話で注文しましたキリタニです」
と伝えると、はいはいと流れるような手さばきで袋に入った料理を手渡してくれ、支払いを済ませました。スタッフの方の対応は、機敏ながらも家庭的な落ち着いています。ビニール袋の中は
料理
スプーン(メニューによっては割り箸)
個包装のお手拭き
ペーパーナプキン
が1セットとして入っています。ソースやドレッシングなど調味料は、適量を料理にかけられた状態になっています。少な目・多めなど、希望がある方は注文時に相談してみましょう。
名店の鉄板メニュー2つを食べる
今回注文したメニューは、お店の鉄板メニュー2品です。
オムコロ(オムライス・コロッケ)
1品目は「オムコロ」(税込1,000円)。オムライスにコロッケが付いているので「オムコロ」です(笑)
写真のように、オムライス、コロッケ、少量のキャベツサラダが盛り付けられた、洋食店の定番メニューです。
まずは、単品でも大人気というコロッケを食べてみます。中を開けてみると、クリームコロッケでした。
この白いクリームに、とてつもなく濃厚な旨味が含まれていました。この旨味が、名店の名物メニューたる所以だとすぐにわかりました。ここまで旨いホワイトソースは、私は食べたことがありませんでした。
味は濃いめですが、決してしつこくはなく、素材の味と触感もしっかりしています。また、中の挽き肉も、歯ごたえは確かですが噛めばすぐにほどけて、肉の旨味を口いっぱいに広げてくれます。
クリームコロッケの中の挽き肉が、どうしてこんなに旨いのかと本当に不思議になります。どこかで鍛えられた特別な挽き肉なのでしょうか・・・
そして、一流の寿司職人も絶賛していたオムライスです。
しっかり火が通っているのに柔らかな卵に包まれているチキンライスが絶品でした。
一般的なチキンライスよりも色味はやや薄めですが、味は超濃厚です。トマトソースの酸味が強いわけでもなく、塩こしょうが強すぎるわけでもないのに、ものすごい強い旨味が、米の一粒一粒に染み渡っています。
その旨味が染みついた具材の一つ一つも、当然ながら素晴らしく仕上がっています。口の中ではごはんの旨味を味わった後に、もう一段階の旨味が中のお肉や野菜から押し寄せてきました。お肉のゴロゴロ感、野菜のしっとり感も心地よい刺激になります。
食後にはトマトケチャップのさわやかな酸味と風味が残り、次の一口が強く誘われるので、あっという間に食べ終わってしまいました。
評判に違わぬ素晴らしいオムライスでした。お店の一番人気として、70年もの長きにわたって芝浦の激動の時代を生き抜いてきたたくましい味を堪能しました。
ハンコロ(ハンバーグ・コロッケ)
2品目は「ハンコロ」(税込1,200円)です。ハンバーグにコロッケが付いて「ハンコロ」です。今回は、ライスを付けなかったため100円引きの1,100円(税込)でした。
ハンバーグにキャベツサラダとポテトサラダがついており、コロッケは別パックに入れられています。
まずはハンバーグを食べます。見るからに美味しそうなデミグラスソースにすっぽり包まれています。
口に入れてみると、期待通りのデミグラスソースの旨味に、肉らしい触感と肉汁の詰まった挽き肉の味が主張してきて、思わず「これ旨いっ。うまいっ。」と連呼してしまいました。
デミグラスソースは、酸味が強いわけでもなく、しつこい味ということでもないのに、色も味もとても濃厚です。このソースがかなりの量あって、一口一口、贅沢にソースを絡めることができます。
テイクアウトでこんなに豊かなソース量のハンバーグは、そうそう無いと思います。
余ったデミグラスソースは、スーパーで買ったパンに染み込ませて美味しくいただきました。テイクアウトならではの楽しみ方ですね。
コロッケについては、「オムコロ」と同じものなのでここでは割愛。このハンバーグとコロッケの組み合わせは、非常に贅沢なタッグです。
いずれもサラダとの相性がよく、シャキシャキのキャベツサラダは歯ごたえの繋ぎとして、優しい味のポテトサラダは濃厚な味の繋ぎとして機能していました。
以上2品、大変に完成度の高いメニューです。本当に70年の歴史を感じる、素晴らしい料理でした。食後のコーヒー(我が家のインスタントコーヒー)まで、とても美味しく感じました。
美味しい満腹とかを通り越して、食後は家族みんなで、幸せな気分に浸ることができました。これで合計2,100円。ボリュームも豊かで、すばらしいランチになりました。
営業時間、定休日など
お店の営業時間などです。日曜のみ定休ですね。
営業時間:
【月~金】ランチ11:30~14:30、ディナー17:30~22:00
【土曜】11:30~13:30 ※土曜はランチのみ
定休日:日曜、祝日
住所:東京都港区芝浦1‐4‐13
予約・問い合わせ:03-3451-1336
支払い:クレジット・電子マネー・QR決済:不可
喫煙可 ※2019年末にお店に行ったときは喫煙可でしたが、現在は不明です。
テイクアウト可
デリバリー可(ファインダインにて)
まとめ:すぐまた食べたい
創業70年というだけで期待値が上がり、「おかめ鮨」の大将のおススメということでさらに期待値が上がっていましたが、そういう期待値にことごとく応えてくれる、キクヤレストランはまさに名店でした。
濃厚な味であるにも関わらず、写真を見ていると口の中は料理の味でいっぱいになり、すぐまた食べたくなってきます。他のメニューも味わってみたいですが、今日のメニューは本当に素晴らしかったです。
個人的には、お店の環境保護に対する姿勢にとても共感しました。
テイクアウトの際の調味料は、余計な容器は発生させないよう最初から料理に掛けられています。使い捨ての食器も最小限で、オムコロ(オムライスとコロッケ)はスプーン1本、ハンコロ(ハンバーグとコロッケ)は割り箸1膳です。
いずれも、注文すれば応じてくださると思いますが、不要なものを出さない姿勢にはとても共感します。
港区の「食べきり協力店」にも登録されていました。単品注文や苦手食材の代替(玉ネギ抜き、ライス少のかわりに野菜多めなど)など、オーダーすれば応じてくださるようです。
濃厚で旨い洋食を食べたいときには、ぜひ「キクヤレストラン」を利用してみることをおすすめします。