港区立伝統文化交流館が2020年5月開館!見どころは

2020年 4月 ⇒5月、港区芝浦に新たな観光スポット「港区立伝統文化交流館」が誕生しました。大規模な再開発が続く浜松町~田町エリアでひときわ渋く、大切にしたい日本文化を背負ってきた建造物です。

芝浦といえば、バブル全盛期の「ジュリアナ東京」、JRの電車から見える「ヤナセ本社」、“東京芝浦”をルーツとする「東芝」などのイメージが一般的ですが、実は芸者さんが活躍していた地域であることをご存知でしょうか。

この記事では、芝浦の文化と歴史を象徴する「港区立伝統文化交流館」についてご紹介します。

開館日は延期に

2020年4月1日の開館を予定していましたが、新型コロナウイルスの影響により延期になりました。
開館日は、4月13日⇒再延期して5月7日⇒再々延期して5月26日になりました。

(再々延期日は6月1日予定でしたが、緊急事態宣言の解除と同時の5月26日になったそうです)

港区立伝統文化交流館とは

伝統文化交流館は、港区芝浦にあった花柳界の見番として機能していた建造物です。

花柳界:芸者の世界

花柳界とは、芸者さんの世界のことを指します。別名で花街(かがい・はなまち)とも呼ばれます。

芸者さんの世界って、ちょっとピンときませんよね。

芸者は、その昔、料亭や旅館などに呼ばれ、歌や踊り、三味線、茶道・華道などを駆使して客を楽しませることを業としていた女性のことです。

芸者になるためには、10台半ば(!)から3~5年ほど、お客様をもてなす礼儀作法やしきたりから、芸者としての高度な演奏や踊りまで、厳しい修業を重ねていきます。
長い修業を経てようやく芸を売る仕事人として活動できるようになり、その後も日々欠かさず稽古して道を究めていきます。

舞踊、華道・茶道など、古来から人を楽しませる“道”として伝わっている技を磨いていくという点で、今でいう銀座のホステスさんとは異なります。
芸者さんはまさに芸のプロだと言われます。

芸者は江戸時代から日本各地に存在しており、互いに競い合いながら芸の道を探求してきました。
人を楽しませる技を奥深く継承されてきているため、花柳界(芸者の世界)は、日本の「おもてなし」文化の源泉とも言われています。

伝統文化会館は芝浦花柳界の中心だった

さて、芝浦の話に話題を戻します。

芝浦では、明治時代から料亭や旅館が発展し始め、芸者さんの出番が激増。芸者さんをあっせんするお店(芸妓屋)が増えてきたことで、芝浦花柳界が生まれました。

当時の芝浦は、海の眺めがよくて魚の旨い地として、観光などで訪れる人が多かったんですね。
タワマンが乱立する今からすると、信じがたいです。

昭和に入ってから、この芝浦花柳界で芸者の取り次ぎや宿代の精算をする事務所 兼 研修所(見番と言われます)となったのが、「伝統文化交流館」です。
この施設で、芸者さんが稽古をしたり、どの料亭に派遣されるかを調整したり、お代を精算したりという実務を担っていたのですね。

伝統文化交流館は、目黒雅叙園を手掛けた酒井久五郎が棟梁として建設に携わっています。特徴的な屋根の形や、カウンターの造りなど、素人目にもわかる美しい建築が実現されています。

バブル期に芝浦に「ジュリアナ東京」ができて踊り狂っていたのは、芸者さんの舞踊の発展形!?(たぶん関係ないと思います。)

戦後は宿泊所と稽古場「協働会館」(旧協働会館)に

戦後は、港湾労働者の宿泊所として利用されつつ、近隣住民の日本舞踊の稽古場など、地域の集会所のような存在として利用されたそうです。この時期は「協働会館」と呼ばれていました。

今も船員保険の事務所が近くにありますが、”港湾で働く人”と”舞踊を習う人”って、全然関係ないですよね。
きっと、地域の方が集まって何かやるときに常に重用されてきた施設なのでしょう。

しかしその後、惜しまれながら、平成12年に建物老朽化によって閉鎖されました。

令和2年、伝統文化交流館に生まれ変わる

閉鎖後も、住民からの施設活用の要望は絶えることなく、建物の保存と利活用を求めた請願が港区議会で採択されました。
これにより、かつての芝浦花柳界の見番は、伝統文化交流館として生まれ変わることとなります。

酒井久五郎の傑作建築であり、今では希少な花柳界のおもてなし文化を支えてきた施設を、現代の私たちも見学・活用することができるようになったわけです。

スポンサーリンク

伝統文化交流館の見どころ

まず注目すべきは、百畳敷と呼ばれる2階の大広間「交流の間」でしょう。

数多の芸者さんが技の鍛錬を積み重ねてきた部屋に他ならず、舞台構造が残されています。この「交流の間」で、今後は伝統文化の講座や公演が行われるようになるそうです。

舞台から畳(客席)まで非常に近いため、落語や講談を存分に味わえることでしょう。
個人的には、神田伯山さんの講談が見てみたいですね!チケットとれなさそうですが。

また、港区に在住・在勤・在学の団体または個人は、有料貸室として利用することができます。
施設見学は無料ですから、まずはぜひ一目見に行ってみてはいかがでしょうか。

それと、見どころのもう一つは、夜の建物外観です。

建物全体から暖かさが広がってきて、辺りを包み込んでいるような、何とも言えない素敵な雰囲気です。
花柳界の芸者さんや取次ぎをする人たちの活気ある声が、今にも聞こえてきそうです。
建物の前を通りかかるだけで幸せな気分になれる建物って、なかなか無いと思います。

開館時間は午後21時までですので、ぜひ夜の伝統文化交流館を外からじっくり味わったうえで、建物内部を見ていただけたらと思います。

「交流の間」を借りることができる!

伝統文化交流館の最大の見どころである「交流の間」は、貸室として開放されます。

これだけ歴史的価値のある建造物を、見物用というだけでなく一般人に開放するという点が、この施設の際立った特徴です。これまで長きにわたって周辺住民に活用されてきた歴史を踏まえて、令和の時代の私たちにも活用してもらい愛されていくことを目指した取り組みだと言えます。

貸室を利用できる対象者は、「港区に在住・在勤・在学している個人または団体」です。

貸室使用料は以下の通りです。これはかなり安いですね・・・

■午前(10:00~12:00):5,700円
■午後(14:30~17:30):8,500円
■夜間(18:00~21:00):8,500円

スポンサーリンク

開館初日は延期。開館時間は

伝統文化交流館は、2020年4月1日オープンです。
⇒コロナウイルスの影響により、開館初日は4月13日に延期⇒5月7日に再延期されました。5月26日に再々延期されました。

年末年始以外は基本的に開館。
開館時間は午前10時から午後21時までです。

アクセス

JR田町駅東口から徒歩8分、都営浅草線・都営三田線三田駅A6出口から徒歩9分。歩くとちょっと距離があります。

バスを利用する場合

100円バス「ちぃばす」芝ルートまたは芝浦港南ルート(品川駅港南口行)を利用できます。
「田町駅東口」または「都営浅草線三田駅」「都営三田線三田駅」バス停でバスに乗り、「みなとパーク芝浦」バス停で下車。そこから徒歩3分です。

自転車でのアクセス

伝統文化交流館の敷地内に専用の駐輪場があり、これを利用することができます。

また、NTTドコモのサイクルシェアリングを活用するのが便利です。ポート名は「C5-30. フェイム芝浦インターウェーブ」です。
伝統文化交流館の向かいの建物ですね。

でのアクセス

敷地内に駐車場がありますが、台数は1台分のみで、おそらく交流館の運営関係者のためのものと思われます。

ですので、民間の有料駐車場を利用する必要があります。付近の駐車場をいくつかご紹介します。

タイムズ 芝浦第6(芝浦1丁目4)
・コインパーキング(芝浦1丁目7)
・パラカ 芝浦第1(芝浦1丁目9-4)
・タイムズ 芝浦第11(芝浦1丁目10)

「タイムズ 芝浦第6」は第一京浜からアクセスしやすく、台数も比較的多くておすすめです。

まとめ

伝統文化交流館は、芝浦花柳界の見番だった建物です。紛れもなく、おもてなし文化を支えてきた施設であると言えます。

しかしそれだけでなく、東京の中心地にあるこれだけの歴史資産を、ただ見学できるだけでなく、区内の個人・法人が利用できるように一般開放するところにこそ、伝統文化交流館が地域の人に重用されてきた歴史が象徴されていると思います。

港区芝浦の地で長きにわたって、地域の中心施設として活用されてきたこの施設は、令和の時代でもまた、多くの方に愛され利用されていくことでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。