新型出生前診断NIPTについて医師などから情報収集したことまとめ

我が家では2019年に第二子を授かってから、新型出生前診断のNIPTについて本腰を入れて調べ始めました。

私たち夫婦の周囲にいる同世代、30代後半~40代の妊婦は、ほぼ例外なくNIPTを受けているにも関わらず、まとまった情報や書籍が少なく、情報収集がとても難航したのを覚えています。

ここでは、私たちが集めたNIPTに関する情報について整理してお伝えします。なお、詳細・正確な情報については、必ず検査前カウンセリングで医師にご確認ください。

NIPT(新型出生前診断)とは

NIPTは一般的には「新型出生前診断」と呼ばれていて、略称は「ニプト」と読まれることが多いですね。正式には「無侵襲的出生前遺伝学的検査(Noninvasive Prenatal Genetic Testing)」というそうです。

NIPTは、妊娠10週以降の母体の血液検査だけで赤ちゃんの生まれつきの染色体異常がわかる出生前検査です。羊水検査などと比べて、NIPTは母体や胎児への負担が格段に軽く、流産リスクなしで受けられるのが特徴です。

NIPTでわかること

NIPTでは、

21トリソミー(ダウン症)
18トリソミー
13トリソミー

の3つの染色体の異常を測ることができます。わかるのはこの3つだけです。

生まれつきの疾患には、染色体異常のほかに、遺伝子疾患や、他因子遺伝疾患など様々な要因があります。
NIPTでわかるのはそのうちの実に17%ほどなのだそうです。

(東京女子医科大学 NIPT説明書より一部抜粋)

たとえば心臓の疾患や自閉症など、多くの先天性疾患はNIPTではわからないわけです。

新型というからには、先天性の疾患がほぼ全部わかるのかなと思っていましたが、NIPTはそのうちの一部しかわからないということですね。

陰性ならまず安心。陽性なら

NIPTの検査結果が陰性の場合には99.99%の確率で、上記3つの染色体に異常がないことになります。陰性なら、まずダウン症の子が生まれてくることは無いと言えます。

一方、陽性の場合、染色体異常の確率は約95%です。微妙な数値ですね。

この水準は出生前検査としては低いため、羊水検査などの確定的検査を受けて確認することになります。「NIPTでは陽性だったけど、確定的検査では陰性だった」となることもあるわけです。

実はNIPTで性別も他の疾患もわかる

カウンセリングで医師から聞いた話で印象的だったのは、NIPTのポテンシャルの高さです。

NIPTでは、3つの染色体異常しかわからないとされていますが、実際はもっと多くのことがわかるそうです。
技術的には、性別はもちろん、ほかの染色体の異常や、いくつかの先天性の疾患についても確認することができるのだそうです。

自分の赤ちゃんのことなんだから、もう少し教えてくれたっていいじゃないか・・・

と思ってしまいました。しかし、”命の選別”をどこまで許すのかという倫理的な問題から、産婦人科学会の意向もあって、日本では現状、3つの染色体異常だけを知ることができるようになっています。

NIPTの長所短所まとめ

これまで集めた情報を踏まえて、NIPTの長所をまとめると

早い週数で、
流産リスクなしで手軽に、
高い精度で「シロ(陰性)」がほぼ確定できること

NIPTの短所は、

わかるのは先天性疾患のうち約17%だけ
陽性の場合の精度は高くないこと

とまとめられます。

NIPTは誰が受けられる?諸条件、受ける方法

NIPTの検査対象となる年齢、条件

NIPTの検査対象は、以下のどれかの条件を満たす方です。どれか一つでも当てはまれば、検査対象となります。

■出産予定日時点で「35歳以上」(高齢出産)
■妊婦健診などで染色体異常※の可能性が高いと言われた
■過去の妊娠または出産で赤ちゃんに染色体異常※があった

※上記でいう「染色体異常」は13、18、21トリソミーの3つです。

なお、35歳未満の場合も、日本医学会の認可のない施設、いわゆる無認可施設で受けることができるそうです。
無認可の病院やクリニックで受けても、検査会社は同じだったりしますし、費用も概ね同じようです。

ただ、認可施設の場合にはカウンセリングをはじめとした事前事後のフォロー体制が整っており、その道の専門医から直に説明を受けて、思う存分質問に応じてもらえるというのが、一番の差だと思います。
とくに結果が陽性だった場合には非常に重要な違いだと思います。

NIPTを受ける時期

検査を受けられるのは「妊娠10週以降」です。他の出生前診断と比べて早く受けられます。

妊娠12週を超えると脱胎の際の母体への負担が格段に上がり、22週を超えると脱胎できなくなります。人口妊娠中絶にタイムリミットがある以上、なるべく早い時期に受けたいところです。

でも、早すぎると検査結果の信頼度が低くなることがあるそうです。昭和大学病院では妊娠13週以降が推奨されていました。

ちなみに、検査を受ける日程は、なかなか都合よくはいきません。NIPTを受ける意思表示をしてから結果が出るまで、6~7週間を見込んでおいてください。

・検査を予約してから受けるまで(1ヶ月ほど)
・検査を受けてから結果が出るまで(10日ほど)
・陽性だった場合にはその後の羊水検査まで(不定)

どの病院も直近の予約枠は埋まっていて、最短で1ヶ月ほど先になってしまうことが多いのが現状です。上記のほか、実際には夫婦で情報共有したり話し合う時間、検討する時間も発生します。

以上踏まえて、たとえば妊娠13週で検査を受けようという場合には、妊娠確定したらすぐ、妊娠7週目ぐらいに紹介状を書いてもらうことをおすすめします。

NIPTを受けるときの流れ

NIPTを受けるときの大まかな流れです。

受診病院の検討
→紹介状の発行(産科の医師から)
→受診病院の予約
→カウンセリング、受診(父母同席が基本)
→病院で結果通知
→【陽性の場合】医師面談、羊水検査の予約など

それぞれのステップの具体的な内容については、我が家のNIPT実体験の記事で確認いただけます。

ちなみに我が家では、かなり急いで手続きしましたが、紹介状の発行から結果通知まで43日かかりました。

NIPTはどこで受けられる?

日本医学会の認可施設として、全国80ヶ所超、都内だけでも20ヶ所近くの病院などでNIPTを受けることができます。自分の希望地域の施設の有無については、NIPTコンソーシアムのHPで確認できます。

無認可施設はさらに数多くあります。「受けたい地域」+「NIPT」などのキーワードで検索してご確認ください。

NIPTにかかる費用見込み

費用はだいたい合計20万円ぐらいを見込んでおくのが妥当です。

2019年に昭和大学病院でのNIPTに実際かかった費用は、初診料やカウンセリングなどもあわせて193,920円でした。2020年現在では、昭和大学病院のHPには「16万円」と記載されています。

どの施設も、概ね20万円におさまることが多いようです。

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NIPTと羊水検査、クアトロテストなど他の検査との違い

NIPTを受けるかどうかを考えるうえで、NIPTのほかにどんな検査があるのかということも知っておいた方が良いですね。

出生前診断には、検査結果の精度から「非確定的検査」「確定的検査」という区別があります。

「非確定的検査」は結果の精度が比較的低いですが、母体や胎児への負担が軽いものが多いです。超音波検査、母体血清マーカー検査(クアトロ検査)、NIPTがあります。

「確定的検査」は結果の精度が高いですが、流産リスクを伴います。絨毛検査や羊水検査があります。

一般的に、非確定的検査で陽性だった場合には、確定的検査を受けていくことになります。

カウンセリングのときに先生から聞いた説明を踏まえて、私たちはこんな図を作って整理しました。

図にしてみると、早期に高い精度で陰性を確定できるNIPTは画期的で、社会からのニーズの多い検査であることがうかがい知れます。

各検査の詳細はここでは控えますが、数する検査のうち、どの時期にどの検査を受けるのかを、夫婦の状況や価値観、胎児の状態をもとに決めていくことになります。

NIPTに関する厳選出典情報

ここまで集めた情報ソースについて、信頼性が高く、実際に参考になったものに絞ってお伝えします。

東京女子医科大学のNIPT説明資料 (PDFファイル)
昭和大学病院でカウンセリングを受けた際に、説明資料として医師が利用していました。最先端の病院が出している最も信頼できる資料で、NIPTの概要がわかりやすくまとまっています。

NHKスペシャル取材班
『出生前診断、受けますか? 納得のいく「決断」のためにできること』 (書籍ページが開きます)
NIPTの概要からNIPTで陽性だった方の体験談などが具体的に記されています。

NIPTコンソーシアムのHP
NIPTを受けられる認可施設の一覧です。ここで近隣の認可施設を確認できます。

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まとめ

NIPTについて、素人目で集めた情報を整理してお伝えしました。

ここでお伝えした内容はただの情報ですから、実際には、これらの情報をもとにして、NIPTを受けるのか、受けるとしたら陽性の場合にどうするのか、という方針を進めていくものと思います。

出生前診断はとても重たいお話ですが、この記事をお読みいただいた皆さまが、ご自身の考えを進めたり、ご夫婦での話し合いを進めるのに少しでも役立てていただければ幸いです。

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